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入出金台帳作成のポイント


MWM編集局


 

会社の経営を行う上で、入金・出金の管理は、大切な業務のひとつです。
たとえ収支上黒字になっていても、その入金がある前に大口の支払があると、資金がショートしてしまいます。
そうならないためにも、請求した会社からの入金予定および支払予定を把握し、残高が0にならないように管理する必要があります。

今回は、入出金の管理に使う台帳作成のポイントについて説明します。

 

・まずは、請求一覧・支払一覧を作成

毎月どれくらい売上が上がり、どれくらい支払をしなければいけないかを、一覧にまとめている方は多いと思います。
その表を作成する際、フォーマット(F文)を同じ内容にしておくと、後で集計しやすくなります。

 

  <売上(請求)一覧の例>
   

 

<支払予定一覧の例>

 

ここでのポイントは、4列目のように、入金・出金ごとに異なるコードを付けて、1件1データとして扱えるようにしておくことです。
また、こういった一覧では、2列目のように項目の発生した日付だけを記載している方が多いと思いますが、10列目に入金・出金が実際に行われる日付を記載しておくと、入出金台帳を作成するときに便利です。

 

・入金・集金一覧のデータを台帳に転記

入金・出金の一覧を用意したら、今度はその内容を入出金の予定表に転記します。

 

  <入出金予定一覧の例>
画面には表示されていませんが、ページいっぱいまで、空白行となっています。
 
1. 入金・出金一覧をRC命令で、縦につなぎます。

  RC[Enter](入金一覧のページ番号),(出金一覧のページ番号)[Enter]1[Enter]

  
2. つないだ表を、X命令で裏画面にし、入出金一覧を画面に読み出します。

  X[Enter]
  R[Enter](入出金一覧のページ番号)[Enter]

 
3. ICB命令で、コード番号の列を入出金一覧の表に挿入します。

 ICB[Enter]4−5[Enter]12[Enter]

 
4. DL命令で、不要な空白行を削除します。

  DL[Enter]C12=””[Enter]

裏画面のデータ行が、おもて画面の行数より多くて、データがすべて転記されていない場合

RV命令で、いったんコード番号の列を挿入する前に戻し、ILS命令で空白行を追加します。
その際、SETC命令の10番「ページの拡張」を「2‥拡張」にしておくと、複数ページ分の空白行が追加できます。
空白行を追加後、再度コード番号の列の挿入を行います。

 
5. UPD命令で、入金・出金の予定日と会社名を転記します。

 UPD[Enter]
 [Enter](書きかえるのは画面)
 [Enter](照合するページは裏画面)
 [Enter]12(画面のキー列は12列目)
 [Enter]4(照合するページのキー列は4列目)
 [Enter]R[Enter]10[Enter]2[Enter](2列目を照合するページの10列目に置換え)
 [Enter]R[Enter]6[Enter]4[Enter](4列目を照合するページの6列目に置換え)
 [Enter][Enter]

 
6.

次に、計算式を使って、入金・出金のデータを転記します。

 XC8=C6,C12=”i*”[Enter](12列目が”i”で始まる行に、裏画面の8列目を、6列目に転記)
 XC8=C8,C12=”o*”[Enter](12列目が”o”で始まる行に、裏画面の8列目を、8列目に転記)

 
以上で、データの転記は終了です。

 

・不要なデータの削除と差引残高の計算

転記したデータには、4月に入金されるものも含まれています。
次は、入金・出金を日付順に並べかえ、不要なデータを削除し、差引残高を計算します。

 

1. S命令で、入金・出金の日付順に、データを並べかえます。

 S[Enter]
 [Enter](画面のデータを並べかえ)
 [Enter]2(1番目のキー列は2列目の「日付」)
 [Enter]3(並べ方は、数字小さい順)
 [Enter]6(2番目のキー列は6列目の「入金」)
 [Enter]1(並べ方は、文字正順)
 [Enter][Enter](結果を画面に表示)

2. 不要な4月入金予定のデータを削除します。

 DL[Enter]C2=>20020400(2002年4月以降のデータを削除)

 
3. ACM命令で、入金・出金の累計を計算します。
計算結果は、ワークエリアに書き込みます。

 ACM[Enter]C6,W1(入金の累計をワークエリアの1列目に書き込む)[Enter][Enter]
 ACM[Enter]C8,W2(出金の累計をワークエリアの2列目に書き込む)[Enter][Enter]

ワークエリアの内容は、DW命令で確認できます。
前月の繰越金を含めて差引残高を計算する場合は、ACM命令を行う前に、先頭行の前に繰越金の行を挿入しておきます。
 
4. 入金と出金の累計から、差引残高を計算します。

 W1−W2=C10[Enter]

 
5. 計算結果にカンマを挿入し、コード番号の列を会社名の前に移動して、台帳の完成です。
 
ここでのポイントは、並べかえを行う際、入金データの並べかえを「文字正順」で行うことです。
同じ日付に入金と出金が行われる場合、入金のデータを文字正順で並べかえることで、出金が先に計算の対象となります。
また、入金・出金の累計の書き込み先にワークエリアを使うことで、累計結果を書き込む列が不要になります。

 

上記の手順で作成した入出金台帳の差引残高に、マイナスの表示がある場合は、資金がショートしていることになります。
そうならないように、
 ・入金の日付を早める
 ・借入をして資金を用意する
 ・出金の日にちをずらす
などの対策を行います。
そして、再度台帳を作成して、マイナスをなくすようにすれば、資金対策の目安となります。

 

・補足

UPD命令について詳しくは、「命令辞典」をご覧ください。

 


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